真昼の月

 

僕は君に”わからない”と言った

何がわからなかったかさえ

もう忘れてしまった

君の胸には突き刺さったのだろうか

それをずっと覚えているだろう

 

真昼の月のよう

いっそ見えなければ

この心も痛まずに済んだのかな

僕は今ここで息をしている

真昼の月のよう

見えないことをいい事に

僕は君の奥にある温もりを深く抉った

 

 

暗い夜道 空を見上げても

今日も雲ばかり目につく

歩み寄ろうとさえしなかった僕に

君は何を思っていたのだろう

言葉は胸を強く強く突き刺す

 

真昼の月のよう

どれだけ目を凝らしても

どんどん見えなくなってゆく

 

君は毎日泣いていたんだろう

何も言えずに絶望しただろう

苦しみも悲しみも

全て飲み込んできたんだろう

歩み寄ろうとさえしなかった僕に

君は何を思ったのだろうか

僕は今ここで息をしている

 

 

僕は君に”わからない”と言った

何がわからなかったかさえ

もう忘れてしまった